zakka story vol.1
foreword
〜books about SF
いろいろな縁があって、2008年6月から、しばらく、サンフランシスコに住むことになりました。アメリカ(正確にいうと、NYとSFです、私の場合は……)は結構好きな国(歴史的に、政治的に、文化的にというよりは、なんとなく、居ると落ち着く、ハマる、という意味で……)で、特にニューヨークには、槇村さとるさんのコミック「NYバード」にはまってから、20数回も通い続けているほど。忘れもしない、2001年9月11日にも夏休みで滞在していました。(この時の話もいろいろあります、また別の機会に……)サンフランシスコには、仕事も含めて7回ほど。ここには、クリエイターや編集者、ロハス&スピリチュアル系の仕事をしている友人が多くいることもあり、来るたびに自分の中にもあるクリエイティブな感覚が呼び起こされる街です。それから、東京でせわしく動き回っていた私に、「止まって、待って、(耳をすまして)、なにかが自然に起こる、タイミングをつかむ」ことを教えてくれた街でもあります。いままでは長くて10日間の滞在、今回は、住んでしまうわけで、いろいろ、表の部分と合わせて裏の部分を知ることになることと思います。それもまた楽しみだと、思うことにしています。
このブログは、日本に向けて、私が考えたこと、伝えたいこと、をサンフランシスコから発信するために始めることにしました。私的、哲学の発信です、大げさに言うと。そして、自分のための記録でもあります。日本では、ライフスタイル系の雑誌、書籍の編集者としてキャリアを積んできました。その中で身に付いたであろう感覚で、みなさんにとっても面白く、楽しんでいただけるブログにしたいと思っています。なので、日記という形ではなく、私の得意分野でもある日常生活の中で出合った“モノ”をフックに写真と合わせて文章を綴っていくつもりです。zakka newsのコーナーでは、ランダムに、たくさんのモノたちをプチエッセイつきで紹介していきます。zakka storyのコーナーでは、エッセイを中心に展開していきます。
記念すべき、最初のzakka storyの写真は、サンフランシスコに着いてすぐに購入した、SFの出版社、クロニクルブックスが出している、サンフランシスコがらみの本2冊です。ゴールデンゲートブリッジの構造やデザインをイラストとともに紹介した『GOLDEN GATE BRIDGE』、サンフランシスコにまつわる短編集『SAN FRANCISCO STORIES』。装丁がすてきで、部屋のインテリアにしたいな、と思い、手に入れました。アパートメントの8階の窓からの景色と繋がる感じで、なかなかいい雰囲気です。
それともうひとつ。サンフランシスコのMOMAのショップで手に入れた『All Over Coffee』。これは、まず、タイトルがいい。コーヒーでも飲みながら、ぶらりと街歩き。Paul Madonnaによるセピア色の懐かしいタッチのイラストで、サンフランシスコの街を切り取っていきます。クロニクル新聞社のwebサイトで連載していたものをまとめたもののようで、新聞の切り抜きを貼付けたようなレイアウトが粋です。ノース•ビーチにあるおなじみ、老舗書店「city light books」から出ていて、表紙には、著者のサイン本を示すステッカーが貼られています。
それから最後に、出発前に、会社の先輩がメールで教えてくれた、「コヨーテ」のサンフランシスコ特集号。これは、出国の前日に書店で手に入れ、飛行機の中で読みました。気に入ったのは、リチャード・ブローティガンの作品をもとにサンフランシスコの街を歩くというコンセプト。かなりいいです。写真家、川内倫子さんと、執筆、藤本和子さんのチームワークが最高です。ほかの企画も力作。編集者の思い入れが心にビシビシと伝わってきます。これから、たまに読み返すことになりそうです。あわせて、ここサンフランシスコにあるジャパンタウンの中のKINOKUNIYA書店で購入した、おなじくサンフランシスコ特集の雑誌「PAPER SKY」も一緒に撮影しました。この雑誌の編集長も、サンフランシスコ出身ですね、確か。
こんな感じで、サンフランシスコ気分を盛り上げつつ始まった新生活の様子を織り交ぜながら、書き綴っていきたいと思います。最初から、長くなってしまいましたが、次回からは少しコンパクトに。どうぞ、よろしくお願いいたします。